金利の仕組み、無借金経営の罠 — 賢い資金計画を!

消費者ローンの強み、無借金経営の罠

金利の仕組み、無借金経営の罠 — 賢い資金計画を!

■ 単利、複利の仕組み 

融資 金利 単利、複利の仕組み長引く低金利情勢、この情勢は我々一般消費者からするとメリットが大きいのではないでしょうか。 

ローンといえば一般的に思い浮かべる商品、それは「住宅ローン」「マイカーローン」「教育ローン」「消費者ローン」などがあります。
これらのローンの中でも大きく内容が異なる異なる商品、それは「消費者ローン」になります。何が違うかというと、それは消費者ローンが「複利」であるということです。「雪だるま式に借金が増える」と耳にしますが、まさにその雪だるま式がこの「複利」の仕組みとなっています。 

我々が一般的に利用する住宅ローンの仕組みは単利式で、支払い利息は「元金×年利率」になるのに対し、消費者ローンは「(元金+経過利息)×年利率」という構造になります。少額の利用の際、利率が15%ぐらいになりますから、返済しても借金が減らないとは、利率と複利構造が要因となっています。
銀行のカードローンは今となっては大事な収入源にもなり、万が一返済不能に陥ったとしても提携をしている消費者金融機関が代位弁済をしてくれる仕組みになっていますから、銀行は深い傷を負わない仕組みとなっています。 

■ 賢い資金計画を!— 無借金経営の罠 

資金計画 無借金経営の罠 日本人の特徴になるのでしょうか—『借金=悪』というように捉える経営者の方が多いと感じます。
「わが社は無借金経営だから!」と自慢をされる方もいらっしゃいますが、必ずしも無借金経営=安定ではございません。 

業種業態にもよりますが、会社を運営するにあたり絶対必要資金と言われる「経常運転資金」が存在します。
企業が安定した経営を進めるために支払う原材料や商品の仕入費用・人件費・事務所の家賃・水道光熱費・インターネット関連費用などが運転資金に含まれます。(※新しい設備の購入や災害復旧にかかった費用などの突発的な費用は含まれません。) 

この「経常運転資金」は、会社が存続する限り極論を言えば「返さなくていいお金」です。
企業の与信力にもよりますが、今の金利情勢下では低い金利で調達ができます。開業時や事業拡大時には外部から運転資金を調達した方が、機動的な事業拡大を見込むことができますし、低い金利で調達ができる運転資金は一般的にも借りる側にとって大きなメリットとなります。 

一方、金融機関にとっても、この経常運転資金に対応する貸し出しというのは、返済源が売上債権の回収や棚卸資産の販売によって明確であり、業績に支障が発生しない限りはリスクが少なく、取り組みやすい融資と言えます。 

民間金融機関からの借入れ以外にも、政府が100%出資する金融機関である日本政策金融公庫からも低い金利で融資を受けることができます。これは、法人のほか、個人事業主や小規模事業者でも相談しやすい金融機関で、条件を満たせば無担保、無保証人での融資を受けられます。金利も比較的低金利で、一定期間返済を据え置く制度もあります。 

■ 運転資金を低金利で調達した場合のメリット 

資産運用 運転資金を低金利で調達した場合のメリット1億円を0.5%で調達したとしたら、年間の支払い利息は500,000円。仮に金利が1%に上がったとしても1,000,000円、もちろん単利での借入となるため、会社の決算に大きな影響を与えることはまず考えられません。
であれば、1億円の運転資金は銀行から調達し、自己資金の1億円を年利率3%の安全な不動産や金融商品などの資産で運用する方が2.5%もの利鞘が抜け、会社の決算にもプラスに寄与し、結果的に内部留保は厚くなります。 

蓄えてきた自己資金で運転資金として活用する場合、もちろん上記2.5%の利息はつきませんので、これは利鞘を得る機会を失う一種の「機会的損失」と言えます。
特に薄利多売の業種ほど他人資本をどのように活用するかが、経営では非常に大切なことと言えます。 

運転資金は、事業を継続していくために必ず用意しなければならない資金です。金融機関の担当者や税理士などの専門家に財務的な相談をしながら、必要な運転資金が確保されているかを常に気に留めておき、安定的な経営を目指していきましょう。